2025.07.11
・トレッキングレポート

冬季 至仏山トレッキングレポート ~ 鳩待峠から季節限定の時計回りコース ~

◇山の紹介◇

至仏山(しぶつさん)
標高2,228m。尾瀬国立公園に属し、群馬県内に位置する。日本百名山の一つ。

尾瀬ヶ原(おぜがはら)
群馬県・福島県・新潟県そして栃木県と4県に跨る本州最大級の高層湿原(東西6km・南北2km)。
周囲を2,000m級の山々に囲まれ、国立公園・国の特別天然記念物・ラムサール条約湿地に指定されており、
その保存が厳しく義務付けられている。

◇日程◇
2025年4月24日(木)

◇コース◇
今回のコースは4月下旬からGW期間限定となる、至仏山時計回りコース。
(※ハイシーズンは尾瀬側から至仏山へ登り、鳩待峠に下りる反時計回りの一方通行のみ)
2025シーズン至仏山残雪期利用期間は4月18日(金)~5月6日(火)の19日間。

毎年11月頃から翌年4月までは尾瀬国立公園へのアクセス道路が冬季通行止め。
またGW以降から6月30日まで至仏山登山道の植生保護の為閉鎖となり、とても貴重な期間での山行であった。

mapbox YAMAPより歩いた軌跡 右下の◀鳩待峠から時計回りに進む

◇行程◇
※行動時間、距離はYAMAP算出の値を引用
鳩待峠登山口 → 悪沢岳 → 至仏山 → 山ノ鼻キャンプ場 → 鳩待峠登山口
行動時間:6時間56分 休憩時間:1時間44分 距離: 10.5km
のぼり:862m くだり:867m

◇山行記録◇

6:30
駐車場からバスもしくはタクシーに乗り、15分ほどでスタート地点となる鳩待峠へ。
1台目のバス出発以降、続々と増便のジャンボタクシーが発車していた。
駐車場1日1,000円、バス・タクシー共通乗車券(片道のみ)1,300円。

7:00
スタート地点の雪上でアイゼンを装着。ツボ足で歩いているグループもいたが、10本爪以上のアイゼンを装着している割合が大半を占め、4本爪・6本爪アイゼン、チェーンスパイクは2割程といった感覚。

9:00
悪沢岳のピークに到着。眺望良し。ここからはほぼ平坦に歩みを進め、至仏山を目指す。

9:20
出発前に朝食は食べているが、おなかが空いてしまい小至仏山の巻道へ取り掛かる前に軽食タイム。
他のハイカーも同様に、この小至仏山への分かれ道直下で休憩をしている方が多かった。

9:40
小至仏山の巻道をすすむ。ここが一番、緊張高いポイントであった。
しっかり道は付けられているが、滑り出したら間違いなく止まらないと分かっているので10分程ソワソワしながらも慎重に雪面を歩く。

10:20 登頂
山頂からは新潟県側の山脈がこれでもかというほどはっきりと見え、圧巻の景色。
山頂付近からはスキー・スノーボードを利用しておりる方も多く、滑走が始まると歓声が沸くなど賑わいを見せていた。
↓目の前の尾瀬ヶ原と燧ケ岳を眺め

目の前の尾瀬ヶ原と燧ケ岳を眺めながらの昼食タイム

11:00 下山開始
この時期の至仏山下山にはヒップそりや尻セードが経験出来るということで私も挑戦。
なかなかの傾斜の為スピードも出やすく、正直怖かった。。。

写真左:先行者の3人組。毎年来ているそうで、この傾斜を颯爽と下っていった。

そして滑り下りるときはザックのサイドポケットから物が落ちやすいらしく、先行していた3人組のお一人もナルゲンボトルを途中で落としてしまったそう。

12:00 山ノ鼻キャンプ場
この地点から鳩待峠へ帰る際には上りとなる。
とは言うものの、上りになるのはほぼ終盤になってからだが、キャンプ場を出発してから股関節に痛みが生じてしまい、帰路となるこの1時間はこの日一番きつい区間であった。

14:00 鳩待峠
スタート地点の鳩待峠無事到着し、帰りの乗車券を鳩待峠休憩所で購入。
乗車人数が揃い次第、乗り合いタクシーが順次出発するシステムであった。




■装備■

◇帽子
 THE NORTH FACE / HIKERS CAP
◇サングラス
 FLOAT / MAIA GRAY
◇グローブ
 MINUS33 / FINGERLESS GLOVES
◇シェル
 Teton Bros. / WS LADY BUG JKTWS LADY BUG JKT
◇インサレーション
 ARC‘TERYX / ATOM LT HOODY
◇ベースレイヤー
 ONC MERINO / ロングスリーブTシャツ
◇パンツ
 THE NORTH FACE / TRECK CONVERTIBLE PANT
◇ザック
 山と道 / MINI2
◇シューズ
 SCARPA / ミトスGTX

■総評■
初めての雪山登山は天候にも恵まれデビューには最適な環境であった。
しかし、夏山もだが装備に不安を抱えたままだと十分に楽しめないということも改めて学んだ。既に持っているチェーンスパイクを使用するか、新たにアイゼンを購入するかという悩みだ。不安を抱いたまま山に行くよりも、装備を揃えて不安を解消し山を楽しむことがいいと思った。たらればではあるが、例え使わなくても無事に帰ってくることができれば“お守り”としての安心感を持つことが出来る、それが荷物になろうとも。石井スポーツの店員さんは至仏山の状況を調べてくれ、「チェーンスパイクでも大丈夫」と言ってくれたが、技量や経験の無い自分には最善の選択であったと思っている。

また、雪の照り返しで日焼けしやすく、山行後数日は大変な思いをした。
腕や首、顔そして目の対策はしていたが、キャップから出ていた“耳”特に外耳部分が水膨れになってしまうほど雪焼けしてしまった。夏場は基本的に手ぬぐいを頭にしていたので気にならなかったが紫外線対策の重要性を再認識した。さらに、サングラスをしていなかった同行者の一人は雪目(雪眼炎)の影響で、その晩には目が痛くて堪らなかったそう。
今年の夏そして、冬は雪山初心者でも楽しめる北横岳や入笠山にもさらに足を運んでみたいと思った。

SORA昭島アウトドアヴィレッジ店・ スタッフ

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