
小蓮華山・白馬岳縦走レポート ~ 白馬山荘宿泊一泊二日 ~
船越ノ頭(2,612m)付近から見た小蓮華山へと続く稜線
NHK「坂の上の雲」原作:司馬遼太郎のドラマエンディングでも使用されました。
◇山の紹介◇
今回は縦走中に3つの山をピークハントしたが、主要な2つのみご紹介。
小蓮華山(これんげさん)
標高2,766m。新潟県の最高峰、長野県との県境にまたがり、別名で大日岳とも呼ばれる。
以前2,769mの標高であったが2007年夏に山頂部の崩落し、3m低くなった。
山頂には鉄剣と石仏が立っており、信仰の山として親しまれていた様子が伺える。
私の地元、糸魚川市の山となる小蓮華山。
市内の各学校の校歌にも「蓮華」という言葉が出てくるほど地元民には馴染のある山。
白馬岳(しろうまだけ・はくばだけ)
標高2,932m。日本百名山・花の百名山の一つ。後立山連峰を構成する主要な山。
左右非対称な山容が特徴。また日本最大の雪渓である白馬大雪渓を有する。
江戸時代には前述の小蓮華山に連なって大蓮華山と呼ばれていた時代もあった。
◇日程◇
2024年9月4日(水)、5日(木)
◇コース◇
今回のコースは栂池自然園を起点に白馬乗鞍岳→白馬大池→小蓮華山→白馬岳
をピストンするコース。白馬岳には大きく分けて三か所の登山口があり、猿倉・栂池自然園・蓮華温泉の3つ。
4年前に蓮華温泉から小蓮華山に登っていること、
ソロハイクということで家族からの心配もあり人気の多い栂池自然園をスタートとした。
大雪渓は2024年7月初旬の時点でクレバスや雪解けのため通行止め、また9月19日未明からの大雨で鑓温泉ルートも通行止めと今年は自然の猛威に影響されたシーズンであった。

◇行程◇ ※行動時間、距離はYAMAP算出の値を引用
1日目:標準CT7時間半
栂池自然園 → 白馬乗鞍岳 → 白馬大池 → 小蓮華山 → 白馬岳 → 白馬山荘
行動時間:5時間47分、休憩時間:1時間10分、距離: 9.2km
2日目:標準CT 5時間半
白馬山荘 → 白馬岳 → 小蓮華山 → 白馬大池 → 白馬乗鞍岳 → 栂池自然園
行動時間:6時間20分、休憩時間:58分、距離: 9.7km
◇山行記録◇
■1日目■
7:30栂池中央駐車場到着
駐車料金は1日500円。
ここからゴンドラ(約20分)とロープ―ウェイ(約5分)を乗り継ぎ、スタートの栂池自然園に向かう。
ハイシーズンまたは土日であればもう1~1.5時間程早くスタートできるが、
今回は9月の平日ということでゴンドラの始発便が8:00ちょうど。


9:00 登山開始
ロープ―ウェイ降車後、10分ほど歩いたところにあるビジターセンター横から入山。
同じ便に乗っていた人たちとスタートが被る為、列を成して進んでいく。

正直、この登り出し区間が一番しんどかった。
身体も温まっていない、
自分のペースで歩けない、
景色も開けていないと言う
トリプルパンチ。
9:50 天狗原
このエリアは高層湿原。10分ほど木道を歩く。


木道を歩き終えると同時に急に登山道の雰囲気が変わる。
所々、岩肌にマーカーが施されているのでそれを追いかけ進む。


10:50 白馬乗鞍岳
一つ目のピーク。新潟県と長野県にまたがる標高2469mの白馬乗鞍。なだらかな山容からは想像がつかないが白馬大池火山帯の一部である。山頂付近は台地のように広がり、ハイマツが多く自生している。


ここから北西方面に進むと突如、白馬大池が目の前にドーンと広がる。
その圧巻の景色に見とれながら歩くと、石がゴロゴロしているので特に注意が必要。

白馬大池(標高2,379M)は火山の噴出物により堰き止められてできた火山性の湖で雪解け水を湛える。北アルプス第二位の大きさを誇る。魚はいないが、クロサンショウウオが多く生息。池の周囲にはオコジョなどの野生動物も出現するので運が良ければ出会えるかも。
11:20 白馬大池山荘
道中を前後していた登山者と休憩中談笑していたことも相まって、お声がけいただきこの先をご一緒することに。ここにてソロ山行は終了…。
さて、ここからは楽しみにしていた稜線歩きとライチョウ探し。
楽しみにしていた絶景の稜線は今回もお預け状態。悔しい!!!

そして10分ほど歩いたあたりで突然の雨。
いかにもこの山域らしい天候の変化。
「天気が悪い方が雷鳥に会える」というのはあながち間違っていないと実感。
なんと計4羽のライチョウに遭遇。雨なんておかまいなしに皆お食事に夢中であった。


13:20 小蓮華山
4年前同様に今回もどんより曇り空…しかし休憩しているうちにみるみる青空が出現!
以前は山頂部崩落の影響で鉄剣に近づくことができなかったが、現在は山頂中央に移設。


小蓮華山から白馬岳に向かう途中、山肌の様子が目まぐるしく変化する。
自然の不思議さを肌で感じる。見ていて本当に飽きない。



15:30 白馬岳
到着した時の達成・高揚・至福の感覚は何にも代え難く、最高の一言。
記念撮影もほどほどに、宿泊先の白馬山荘に向かう。

白馬山荘は頂上から少し下ったところにあり、更に下ると村営の山小屋がある。
今回は国内最大の収容力を誇る「白馬山荘」に宿泊。
夜19時半頃に防寒着を身にまとい、星空観察。
日の入りは雲に邪魔されてしまったが、夜は溢れんばかりに満点の星空を堪能。
初めてこんなに綺麗な天の川を見る事ができ、大興奮であった。


流れ星も見ましたが、あまりの速さにお願いをしている余裕なし(笑)

富山県側がなだらか、長野県側には垂直に切れ落ちている山容という通りに山頂もその様子がうかがえる



人気な山なだけあって、朝からスライドする率がとても多い。
ほぼクラシカルなスタイルで、モンベル、コロンビアを筆頭に他の山域と大差ない。
バック類は上記ブランドに加え、オスプレイが多数。足元はスカルパやキャラバンが主。
しかし少数ながらも、ALTRAが年齢問わず着用していた印象が残っている。
■インバウンドの登山客■
日本人ガイドをつけたアメリカからの登山グループは、鑓温泉側から入山。
また、初日に同じく栂池自然園からスタートしたインバウンドで出会った人は台湾からのソロ2人、6人グループが一組。下山日には女性ソロハイカー(うち1人はULスタイル)。
朝7時に山荘を出発し、3時間。船越ノ頭付近で振り返ると待ち焦がれた絶景が目の前に。
やっとこの情景を見ることができ、喜びもひとしお。

14:20 栂池自然園到着
登山口近くに売店があり、そこでソフトクリームを頬張る。
糖分最高!!おつかれさまでした!!!
■温泉情報■
白馬岳は火山に関係しているので、白馬エリアにももちろんたくさんの日帰り温泉がある。今回は時間の都合上、このエリアでは入浴しなかったが家路の途中にある道の駅の温泉に立ち寄った。148号線を新潟方面に30分ほど進んだところにある、道の駅小谷(おたり)にて温泉を堪能。やはり下山後のソフトクリーム、それと温泉の満足感はたまらない!
ロープ―ウェイ乗り場売店のお姉さんオススメ温泉
⇒『 白馬八方温泉 みみずくの湯 』露天風呂から見える白馬三山が圧巻なのだとか。
■総評■
「2024年は絶対に白馬岳に行く!」と決めてから、とにかくこの2日間を歩き疲れないようにしようと5月から積極的に山歩きに行くなど、普段使わない筋肉を山で使うからこそ疲れて十分に楽しめないなんてことが起こらない様に意識していた。その結果、下山後の筋肉痛にもほぼならず、また山行中も余裕を持って楽しむことが出来た。2025年も弊社の商品を使った感想が接客で活かせるよう、山に行くことを楽しみたい。
SORA昭島アウトドアヴィレッジ店・ スタッフ